あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起こさせ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである。
(新約聖書ピリピ人への手紙 2章13節口語訳)
神様は「絵」を見せられる!――「エッ、何のこと?」と思われる人もいらっしゃるかわかりません。
そうです。聖書の神様は実にユニークな御方です。私達に「夢」や「絵」を見せて、御自分がしようとなさっている事柄を予め教えて下さる場合もあるのです。
私は若い頃、勤めていた会社にあった野球部に所属していました。社会人野球でしたが、大阪や東京でもたれる大会にも、よく出場しました。
ポジションはキャッチャー(捕手)です。
「彼は野球をするために、会社に来ているのだ!」と言われる位、野球大好きの人間でした。
しかし、ある時、腰を痛め、その後も無理をし続けた為に、とうとう腰を本格的に痛めてしまいました。勤めていた会社のすぐ横に、大きな病院がありましたので診察を受けました。
そして、そこのお医者さんが、はっきりと宣言なさいました。
「この腰は、もう治りませんから、遠い距離を歩くこと、重いものを持つこと、寒い所に入ること、この三つは絶対に避けて下さい。それをすると必ず痛み出しますよ。」――そしてその通り、少し頑張ると、たちまち、「ヒィーヒィーッ」言いながら這い廻ることになっていました。
そうした中で、私は、或る出会いからクリスチャンになり、そして牧師になるために、奈良県にある神学校に入学したのです。入学して3年目、経済的な必要に迫られてアルバイトをすることになりました。
「腰に負担を掛けない仕事を~」と願いながら捜しますが、なかなか見つかりません。数日経って、一人の後輩が仕事を見つけて来ました。
喜んで次の日、早速、職場に行ってみました。
何と、一斗缶に溢れる程入ったクリップ――その缶を運ぶ仕事でした。見た途端「無理」と思いました。「ああーっ、すみません、この仕事は私に無理です。」会社の人に充分あいさつもしないまま、トボトボと桑畑の中の道を帰り始めました。
ところが、です!
その時、突然私の頭の中に、一つの「絵」が浮かんで来ました。
レントゲン写真のように「背骨が写り、その腰部分を大きな手が、しっかりと握っている」そういう絵でした。そして、その絵と共に一つの聖書の言葉が私の心に響いて来ました。
「わたしは主であって、あなたを癒やすものである」(旧約聖書 出エジプト記15:26節 口語訳)
私はその時、「神様が私の弱い部分をしっかり支えていて下さる、大丈夫だ。
これから重い物も持つことが出来る!!」とはっきりと確信しました。
頭に絵の残像を思い浮かべながら、何度も与えられた聖書の言葉を告白しました。
次の日、昨日、断った会社に出かけて行きました。
「すみません、今日から働かせて下さい。」「エーッ、あなたは昨日、断ったのじゃないの~?」
「いや、今日から大丈夫です!!」
あれから長い年月が過ぎました。
あの時以来、別の事で2回程、少し痛めてしまいましたが、今日迄、完全に癒やされて動くことが出来ました。
3年前の春のことです。右足の膝が痛み出しました。歩き出して、しばらくすると、すぐ痛みがやって来るので、少しびっこになります。祈っても、整骨院に行っても直らず、3月から11月迄その状態が続きました。
「生涯治らないかな。でも、引きずってでも、まだ動けるだけましじゃないか・・・。」自分自身を納得させようとしました。
ところが秋も深まった11月のこと――道を歩いていた時、突然、私の頭に、温泉場が浮かび、お湯の中につかりながら正座をして座っている自分の姿が浮かんだのです。
「温泉に行って、このようにしなさい。」
心に強い促しを受けました。そして、その日から週に2日、温泉でのトレーニングが始まりました。痛みを覚えていたものの、何回も繰り返すうちに、立ったり、座ったりが自由に出来るようになり、12月の始めには、すっかり完治してしまいました。
次の年の2月、久しぶりに、その温泉に行きますと、「何とまあーっ!」かつて私が座って治療に専念していたあの場所に、一人の男性が、かつての私の格好と同じように正座をして座っているではありませんか。
私は恐る恐る声をかけてみました。
「そのように座っておられるのには、何か訳があられるのですか?」
その人は答えて下さいました。
「私は長い間、膝を痛めて、悩んでいましたが、〈膝の名医〉と呼ばれる、ひとりのお医者さんに聞いたところ、その人は、『膝の痛みは温泉に行って、正座をくり返すこと、これが一番、効き目がある。』と教えてくれたのです。」
私は、「自分勝手な方法で、生兵法(なまびょうほう)で良かったかな・・・・。」と思っていましたが、本当は、至高の名医である神様(イエス様)がいやして下さったことを本当に教えられました。
大いなる神様は、あらゆる事を用いて私達に語り教えて下さることを改めて知りました。