作詞 高野辰之
作曲 岡野貞一
1.秋の夕日に 照る山紅葉
濃いも薄いも 数ある中に
松をいろどる 楓や蔦は
山のふもとの 裾模様
2.渓(たに)の流れに 散り浮く紅葉
波にゆられて 離れて寄って
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織る錦
目を閉じれば、この彩り豊かな山々が浮かんできますね。
作詞をした高野辰之氏は、山の紅葉の様を着物や織物にたとえています。私たちは紅葉と言えば、山全体の木々の美しさだけを見がちですが、高野氏は水面に散り浮く紅葉の色合いに感動し、2番の歌詞にその美しさを表しています。彼は長野県下水内郡(しもみのちぐん)の生まれで、帰郷するたびに通る駅周辺の秋の景色に心打たれ、詞を作ったと言われています。
作曲した岡野貞一氏は、幼くして父を失い、貧しい中で成長し、14歳でキリスト教の洗礼を受けています。
彼は少年時代に、当時珍しい讃美歌にふれ、その旋律やハーモーニーに豊かな感性を養われたそうです。
私は小学生の時、遠足で近くの山に行き、紅葉が周りをぱーっと明るくするくらい美しかったのを覚えています。友だちと一緒に、「誰が一番きれいな葉っぱを見つけるか!」と、競うようにして拾いました。
黄色や朱色の葉っぱにワクワクし、宝物のように大切にしまっていた事を今でも思い出します。
(K.Ⅰ)