作詞 高野辰之
作曲 岡野貞一
1.兎追いしかの山
小鮒釣りしかの川
夢は今もめぐりて
忘れがたき故郷
2.如何に在ます父母
恙なしや友がき
雨に風につけても
思い出ずる故郷
3.志をはたして
いつの日にか帰らん
山は青き故郷
水は清き故郷
この歌は、作詞者の高野辰之が自分の故郷、長野県下水内郡(しもみのちぐん)豊田村の風景を詠んだものといわれています。短い言葉を使って詞を書いていますが、その情景がありありと見えてくるようです。作曲は、「紅葉」や「朧月夜」を作った岡野貞一です。ゆったりとした覚えやすいメロディ、しかも格調あるこのメロディは、歌うわたし達の心の中にしみいってきます。
「♪兎追いしかの山~」と歌いだせば、「ああ、懐かしい。わたしが幼い頃過ごしたあの場所にもどりたいなぁ。」という気持ちにさせてくれます。わたし達一人一人を育ててくれた故郷は、何年何十年たっても、心の中で生き続けています。
わたしは小さい頃、水のはった田んぼでカエルのたまごを手づかみして遊んだり、川でザリガニを釣ったりしたものですが、その場所は今、住宅が立ち並び、面影もありません。
残念なことに、日本の美しい田園風景は年々失われていっています。この素晴らしい自然がいつまでも残っていて欲しいなぁ、と願うばかりです。