巽 聖歌 作詞
渡辺 茂 作曲

1.

かきねの、かきねの、
まがりかど、
たきびだ、たきびだ、
おちばたき。
「あたろうか。」
「あたろうよ。」
きたかぜ、ぴぃぷぅ
ふいている。

2.

さざんか、さざんか、
さいたみち、
たきびだ、たきびだ、
おちばたき。
「あたろうか。」
「あたろうよ。」
しもやけ、おててが
もう、かゆい。

3.

こがらし、こがらし、
さむいみち、
たきびだ、だきびだ、
おちばたき。
「あたろうか。」
「あたろうよ。」
そうだんしながら
あるいてく。

少し冷たい風が吹き始めると、灯油の移動販売車が団地をゆっくりとまわってくれます。
「♪かきねの かきねの まがりかど~」 懐かしい「たきび」の歌が、車から流れてきます。

子どもの頃寒くなると、学校で習ったこの「たきび」の歌をよく歌ったものでした。この歌は1941年(昭和16年)にNHKラジオの幼児向けの歌番組で、初めて放送されました。しかし、戦時中は(たき火は敵機の攻撃目標になる)や(落ち葉も貴重な燃料だ)などの理由で放送禁止になったそうです。1949年にやっと復活し、音楽の教科書にも採用されました。巽(たつみ)氏は、子供向けの番組のために作詞を依頼されたそうです。近所の落ち葉焚きの様子をよく見かけられたのでしょう。「あたろうか。」「あたろうよ。」「ぴぃぷぅ ふいている。」「しもやけ おててが もうかゆい。」などの日常的な親しみのある歌詞は、子どもの心に違和感なく入ってきたようです。あっというまに、全国的に歌われるようになりました。

 

冬になると、近所のおじさんや父親があき地で落ち葉や木切れを集めては、よくたき火をしていたものでした。ひんやりとした空気、香ばしい煙のにおい、あつあつのあまーい味・・・・・。
たき火の中のさつま芋がちゃんと焼けているのかが待ちきれず、何回も何回も棒でさして、火の中から出したものです。
今のように、エアコンやファンヒーター等が普及していなかった時、(暖をとる)と言えば、火鉢やこたつ、たき火でした。不思議な事に、たき火をしていると、大人も子どももその回りに集まってきました。
たき火に手をかざしながら、大人は特にこれといった話をするわけでもなく、私たち子どもは、ほっぺたを真っ赤にしながら、友だちとじゃれ合っていました。体も心もほっこりした冬の思い出です。

たきびは、人の心を自然と溶かし合わせる不思議な魅力を持っています。冬の季節を象徴する日本の文化の一つのように思えます。